2010 0220
先日、箪笥購入予定のお客様とお話しした。
ご夫婦は、現在、子供が4歳で、この度、新しく御主人の実家の方へ転居することになった。そこで、奥様の御両親が桐箪笥を購入し、娘夫婦に贈りたいとのことだった。
ご両親にしてみれば、永く残るものを何か形にして、娘に渡したいという気持ちが強くあるらしい。
今風にエコ・カーやエコ家電も良いが、それらは、もって10年程度なので、思い切って、100年程度は使える、桐箪笥を持たせたいとのお話であった。
この話は、昭和40年代から昭和60年代くらいまでは、どこでも当たり前のお話であった。平成になって、早、22年。桐箪笥は、もはや婚礼家具とはいえないくらいになってしまった。現在は、婚礼時、桐箪笥をお持ちになる方々は、激減してしまった。
それは、誰のせいでもなく、日本の社会が生活レベルで激変していることの一つの象徴と言える。
私は、桐箪笥を娘に持たせるというのは、日本人独特の文化であると思う。現在、50歳代の主婦の方が、「自分が結婚の時には、親のありがたみはわからなかった。しかし、30年経って、自分が親になって、初めて親のありがたみを理解できる。桐箪笥を通して、それを実感している。」とのお話だった。
若い時には理解できなかった親のありがたみを、年をとってから初めて理解できる。これは、桐箪笥だけに限った事ではないが、娘に婚礼時、桐箪笥を持たせる習慣は、実にすばらしいと思う。
桐箪笥がなぜ100年も使用に耐えるのか、色々な理由があるが、現在、ご購入の桐箪笥は、22世紀初頭まで使用できる、実にエコな商品である。エコポイント付けても良いくらいである。
私は、接客時に娘を思う親の気持ちを強く感じて、今回、少しぐっと来たのである。私も親がいるので、本当に有難い事だということが理解できる。
また、私も子供を持ってからは、子供のために自分の命を犠牲にできる親の気持ちをわかるようになった。そのくらい、自分の子供はかわいいものである。
商売柄、桐箪笥を通じて、色々なお客様とお付き合いできる。本当に有難いことである。
親子の絆をつなぐもの、桐箪笥は、そんな役割もあるのだ。と先日、実感した。
2012-08-22 18:03:00
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