2010 0321
数日前、専門学校の先生が工場見学に来た。1時間程の工場見学であった。
前回、小学生の場合は、2クラスが来て、工場内だけの見学であったが、今回は、少人数で時間も1時間以上取れるというので、工場外の見学もコースに入れた。
弊社は、桐の原木を仕入れて、製材している。桐の原木が、丁度、製材所に入っていた所だったので、それも見て頂き、その後、700坪の土地に干してある、板干し場を見ていただいた。
天気が良くて、時間がある場合は、工場内だけでなく、屋外の板を干してある所から見ていただくと、桐タンスに対する理解が深まるようだ。
なにしろ、天然乾燥と言うのは、実に時間がかかる。これが、桐タンスのコストに影響している。よくある質問だが、「桐板を屋外に干して、雨に濡れて大丈夫なのか?」と言われる。
答えは、イエス、大丈夫である。桐板に含まれている、タンニンやアク、渋といった成分を除去するためにわざと雨ざらし、雪ざらし、日ざらしにしている訳である。
水槽につける業者もいるが、弊社は、現在、水槽は使わない。水槽だと、粘りなどの必要な成分も抜けてしまうらしい。はっきりとした実験データがあるのか、どうかは不明であるが、以前、工業試験場の担当官の方からそう聞いたことがある。
とにかく、時間がかかるが、天然乾燥にかなう他の方法は、ないようだ。
専門学校の先生は、小学校の生徒とは、また違う質問をしてくれた。が、逆にこちらが質問してみた。
世界で一番軽い木は何か? 答えは、バルサ材である。2番目が桐である。と説明すると、20歳代の若い先生の中には、バルサ材が何であるか知らないという方もいて、驚いた。
我々が小学生の頃には、模型飛行機や工作の時間では、バルサ材を使うのは当たり前だったのだが、今は使わないらしい。どうやら、バルサ材が昔に比べると、かなり高価になって、授業では使えなくなったと聞いた。
今こそ、桐の木をもっと国ぐるみで植林して、地球温暖化防止のため、二酸化炭素を吸収させるプロジェクトを立ち上げるべきだと思う。
桐の木は、ゴマノハグサ科に属している。木というよりは、草に近いので、15年~20年という驚異的な速さで成木するのである。もちろん、まったくの草ではなく、ある程度の固さもあるのでタンスのような家具に使用できるのである。
最近は、中国の業者は、桐の木を日本だけでなく、ヨーロッパやアメリカにも輸出していると聞く。用途は、外壁材など建材に使用しているらしい。
われわれは、タンスを核にして、桐の材をもっと色々な物に転換し、商品提案していく必要がある。
2012-08-22 18:04:00
過去のブログ2010
| コメント(0)
| トラックバック (0)