2016 0416
昨日、千葉県へご注文の桐たんすを納品して来た。
I 様、本当にありがとうございました。
これは、特注たんすである。
何が特注かと言うと、高さである。塗装である。引出しの仕口である。
高さは1,940ミリもある。横幅は1,060ミリである。

隣の洋服たんすに高さを合わせたので、通常サイズよりも高くなった。
通常の桐たんすは、1,730~1,760ミリ程度であるから20センチ近くも高い事になる。

引手金具を付けない事がご注文であった。
要するにシンプルなデザインが好ましいと言うご注文であった。
扉に丁番が付くが、それ以外はほとんど金具は無しである。

扉の合わせ目に気を使った。気密性を保ちつつ、使いやすい構造を考えた。
普通の桐たんすには召合わせという部品が付くが、今回は無しにして、代わりに扉の内側に召合わせの機能を付けた。
塗装はウレタン塗装である。
桐の風合いを残すためにクリアー塗装に近い色合いにした。

着物を沢山お持ちのお客様なので、三ツ割以外には全て着物が入る構造である。
七の三上洋という型になる。
見た目は、桐たんすというよりも洋家具のデザインであるが、見た目よりも大事なのは中味である。
総桐たんすであるので、普通にお使い頂ければ、100年以上は楽に使える。
桐たんすが100年使える理由の一つに、対震性があげられる。
これは、阪神淡路大震災の時から言われているのであるが、桐たんすは洋家具と違い、
たんすの重心が前には無くて、真ん中にある。だから、揺れても倒れにくいのである。
洋家具は、引出の前板が重い構造なので、揺れると前に倒れる理屈である。
スライドレールが付いていれば、なおさらである。
阪神淡路大震災以降、転倒防止金具がバカ売れしたのは、この理由である。
しかし、桐たんすは元来倒れにくい構造なのである。
それにL字型の転倒防止金具は桐には向かない。
桐は柔らかい素材なので、L字型転倒防止金具よりも台輪の下に何か三角状のあて木をするだけで重心が後ろにいき、
倒れにくくなるのである。
このような自然素材の手造り家具桐たんすは、永く使える理由がいくつもあるのである。
I さま、この度は本当にありがとうございました。
どうぞ今後とも末永くヨロシクお願い致します。
2016-04-16 20:46:00
社長日記
| コメント(0)