仕入れた桐の原木を一列に並べて、職人がていねいに木目や枝の出方を調べます。
丸太から板材を作る時に、タンスのどの部分に使う板材が切り出せるか組み合せを考えているのです。
職人の長い経験が必要です。
切り出した板材は自然乾燥させて、渋抜きを行います。
桐タンスは3年以上自然乾燥させて、渋抜きした桐材を使うので、製品に狂いが出ないのです。
さらに、湿気から衣類を守り、虫を防ぎ、熱に耐えて燃えにくい優れた特長を持っています。
木肌の温かみを感じさせる、優雅で美しい姿をいつまでも保ち続けます。
1.桐の原木から製板して自然乾燥させた桐材は選別され微妙な調整を施します。
これも職人の長年の経験が必要です。
2.桐材の木目や色を考え、より分け、大きさを揃えて板組みしていきます。
3.接合した板材を各部品の寸法取りができる大きさに加工していきます。
4.外枠、引出し、扉などの部品寸法に削り分を付けた大きさで裁断します。
5.裁断した各部品にかんな掛けを行い、寸法に合わせて削って、ていねいに仕上げます。
6.外枠は木釘を打ってしっかりと組み立て、引出しや盆などは3枚組接ぎ、蟻組接ぎなどで組み上げます。
7.外枠や引出し、盆などの木地にとの粉と、やしゃの実の煮出し汁を刷毛で塗り、乾いたところでとの粉を落とします。塗りと乾燥を繰り返して仕上げた後に、ろう磨きをていねいに行います。
8.各部品には後でそれぞれの製品に合った錠、引手などの金具を取り付けます。
最後に、引出しのはめこみ、すべり、扉の開閉、鍵のかかり具合を調整して、「加茂桐タンス」が完成します。